「法人版事業承継税制」とは
「法人版事業承継税制」とは
◆法人版事業承継税制を活用する際のポイント
・活用するケース
1)自社株式の相続税評価額が非常に高い水準にある場合
2)後継者が確定しており、かつ、会社の経営に意欲と責任を持っており、現経営者との経営方針や経営戦略について意見が一致している場合
3)後継者以外の推定相続人が事業承継に関して理解を示しており、遺留分の侵害額請求を受ける危険性が低い場合
・活用に留意が必要なケース
1)自社株式の相続税評価額が非常に少額である場合
2)現経営者と後継者の間で今後の経営方針や経営戦略に関して意見が一致していない場合
3)後継者以外の推定相続人から遺留分の侵害額請求を梅う危険性が高い場合
◆制度の概要
・後継者が現経営者などからの贈与、相続又は遺贈により取得した非上場株式に係る贈与税・相続税の一部又は全部の納税が、経営承継円滑化法による都道府県知事認定を受けた際に猶予される制度(要件を満たせば最終的に免除される制度)
・この制度を利用するためには、オーナー(現経営者)、後継者、会社などのそれぞれが一定の要件を満たす必要がある
◆特例措置について
・平成30年度税制改正により、特例措置が創設され利用しやすい環境になった
平成30年1月1日からの10年間が制度活用のチャンス
都道府県知事に対して、令和5年3月31日までに、「特例継承計画」を提出し、
令和9年12月31日までの間の贈与・相続について支援する制度
◆特例措置のメリット・留意点
・メリット
1)対象株式数の上限が撤廃され全株式が適用可能になり、納税猶予割合も100%に拡大されたことで、事業承継(贈与・相続)時の納税負担は事実上ゼロになる
2)株式譲渡など(M&A・解散など含む)により納税猶予取り消しとなった場合でも、納税の減免措置がある
・留意点
1)現経営者である株主は、贈与時までに代表者を退任する必要がある
2)納税猶予制度利用後、事業継続の要件を守らない場合には、納税猶予取消となり納税する必要がある
【取消の例】株式を譲渡する、後継者が代表者をやめるなど
3)認定後も継続して都道府県知事又は税務署へ各種報告・届出が必要
*平成31年度税制改正により、個人版事業承継税制施行された