二代目経営者図鑑 by Business Succession

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【推薦図書】創業一四〇〇年――世界最古の会社に受け継がれる一六の教え

創業一四〇〇年――世界最古の会社に受け継がれる一六の教え

 

★578年、飛鳥時代に創業
聖徳太子の命で始まった世界で一番古い会社「金剛組
★1400年以上の長きにわたり、なぜ生き残ることができたのか?

■578年、聖徳太子の命を受けて始まった世界最古の会社
578年、飛鳥時代四天王寺を建立するために、聖徳太子の命を受けて、「早水」「永路」「金剛」という3人の工匠が百済から呼び寄せられた。その一人、金剛重光こそ、現存する世界最古の会社と称される金剛組の始祖である。以来、金剛家は、四天王寺をお護りする役目を担う「四天王寺正大工職」に任命され、年中行事にも参加を認められるなど、四天王寺とともに歴史を歩んできた。(第2章参照)

■「なにわの女棟梁」金剛よしゑが金剛組の経営を立て直す
1400年という金剛組の長い歴史のなかで、たった一人、女性の正大工職がいる。それが、金剛利隆氏の義母、第38世四天王寺正大工職の金剛よしゑだ。金剛よしゑの夫であり第37世の金剛治一は、非常に優秀な職人だった。しかし、職人気質が災いして会社の経営を傾けてしまったことに責任を感じて、先祖の墓の前で自ら命を絶つことになる。夫の自殺によるショックに打ち拉がれている暇もなく、幼い娘と社員を抱えたよしゑは一念発起。史上初、女性の四天王寺正大工職に任命されると、のちに残した実績から「なにわの女棟梁」と称されるまでになる。(第4章参照)

■「金剛組を潰したら、大阪の恥や! 」義理と人情が救った老舗の看板
2005年、「世界最古の会社が倒産」というニュースが世間を賑わすことになる。このニュース自体は誤報だが、不得手な事業に手を伸ばした結果、経営苦に陥ったことは事実だった。そのとき、再建の目処も立っていなかった金剛組に手を差し伸べたのは、同じ大阪の上場企業・髙松建設だった。「金剛組を潰したら、大阪の恥や! 」。なぜ、金剛組は支援を受けることができたのか。その背景には、髙松建設をはじめとする、なにわの義理と人情があった。(第5章参照)

■第32世の遺言書に記された16の教えはいまも受け継がれる
金剛組には、長く受け継がれる遺言書がある。病に苦しみ、後継者問題にも悩んでいた第32世金剛喜定が残した遺言書には16の教えが記されていた。そこに書かれている内容は、一見すると「当たり前」のことかもしれない。しかし、当たり前のことほど、続けることは難しい。創業の原点を守り通すこと。それこそが、会社が存続するための近道だと気づくことになる。(第3章、第6章)