二代目経営者図鑑 by Business Succession

二代目事業承継経営者支援情報

【老舗企業】慶雲館(705年)

西山温泉慶雲

 

慶雲館(けいうんかん)は、山梨県南巨摩郡早川町の西山温泉にある旅館(温泉宿)である。『ギネス世界記録(ギネスワールドレコーズ)』によって、世界最古の宿泊施設として認定されている。

 

f:id:statemura:20200209221554p:plain

明治時代初期の頃の慶雲

 

慶雲2年(705年)に当地で狩猟を行なった藤原真人が、狩猟を行なった際に川の岩の間より盛んに噴き出している温泉を発見。険しい山道を切り開き、湯壺を造営して開湯したのが始まりとされている。慶雲年間に造られたことから「慶雲館」と命名され、以降武田信玄徳川家康隠し湯としても利用された。

慶雲館が所有している自然噴出源泉の湧出量は毎分400リットルであり、自然噴出の湯量として世界一が狙えるとされている。2005年(平成17年)には掘削により毎分1,630リットルの新しい源泉が湧出した。これにより元々ある自然噴出の源泉とあわせ毎分2,030リットルの湧出量となり、豊富な湯量を使い掛け流し風呂を提供している。

しかし消費低迷や価格競争の激化により売上が低迷したことに加え過去に行った設備投資の負担などが重荷となり、2017年(平成29年)6月に旅館の運営を会社分割にて新設の新会社「(株)西山温泉慶雲館」へ譲渡し、旧会社の(株)西山温泉慶雲館は「(株)湯島」へ商号を変更した後、東京地裁より2019年(平成31年)1月8日付で特別清算の開始決定を受けた。

 

世界最古の宿泊施設
慶雲館と同時期に造られた旅館として兵庫県城崎温泉にある「千年の湯 古まん」(717年(霊亀3年または養老元年)創業)と石川県粟津温泉にある「法師」(718年(養老2年)創業)があり、『ギネス世界記録(ギネスワールドレコーズ)』には2010年(平成22年)まで「法師」を世界最古の宿泊施設に認定していた。慶雲館はそれまでギネスに申請しなかったため除外されていたが、2011年(平成23年)に世界最古の宿泊施設として申請し、認定を受けた。