二代目経営者図鑑 by Business Succession

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【経営者図鑑】柳井正(ファーストリテイリング)

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生誕 1949年2月7日
山口県宇部市中央町
出身校 早稲田大学政治経済学部

 

柳井 正(やない ただし、1949年(昭和24年)2月7日 - )は、日本の実業家、資産家。カジュアル衣料の製造販売「ユニクロ」を中心とした企業グループ持株会社であるファーストリテイリング代表取締役会長兼社長。ジーユー取締役会長。

 

山口県宇部市中央町生まれ。戦後復員した父・柳井等は、正が生まれた1949年に兄・柳井政雄が代表を務める小郡商事から繊維・洋服部門を任され、紳士服小売りの「メンズショップ小郡商事」を立ち上げ、1963年にファーストリテイリングの前身となる小郡商事株式会社を設立した人物。正が中学生になるころ、父・等は地元のヤクザと組んで土建屋の経営にも手を広げ、次第に街の顔役として幅を利かせるようになった。

山口県宇部高等学校を経て、早稲田大学政治経済学部に進んだ。大学時代は、映画やパチンコ、麻雀でぶらぶらしていた4年間だった。就職先として大手商社を受けたが、ことごとく落ちた[3]。大学を卒業後ぶらぶらして過ごしていたが、父親の勧めでジャスコ(現在のイオンリテール)に入社。

ジャスコ四日市店で家庭雑貨売場を担当したが、働くのが嫌になり9ヶ月で退職、半年程友人の家に居候した後、帰省して実家の小郡商事に入社。当時小郡商事が展開していた店舗「メンズショップOS」で取り扱っていたのは紳士服などの男性向け衣料が中心であったが、12年経営に携わる間、洋服の青山やアオキなどの郊外型紳士服店が業績を拡大したため、後発を避け安価で、日常的なカジュアル衣料の販売店を着想し全国展開を目指した。カジュアルに拘った理由は紳士服(スーツ)のように接客を必要としない、物が良ければ売れるという点が自身の性に合ったためという。

1984年(昭和59年)、父・柳井等の後を受け小郡商事社長に就任。「ユニークな衣料 (clothes) 」ということで「ユニーク・クロージング・ウエアハウス(Unique Clothing Warehouse、略称ユニ・クロ)」と銘打って同年6月、まず広島市にその第一号店を開店。1号店は今と異なり、有名ブランドを安価で販売する形態。(いわゆるバッタ屋に近い。)ユニクロで買い物をするのは「恥ずかしい」との評があった。そのため店舗の周りにはユニクロのオリジナル買い物袋を持って歩くのを恥じた客が商品を別の袋に移し替える状況があった。そのような状況でBASSのローファーに偽物が混じって居り、ますますユニクロの評判を落とし苦境に追い込まれる。これを契機としてオリジナル商品開発を始める。その後中国地方を中心に店舗を拡大していく。

ユニクロの路線が、徐々に陽の目を見るようになった1991年(平成3年)、社名を「ファーストリテイリング」に変更。2002年(平成14年)、代表取締役会長兼最高経営責任者 (CEO) に就任。いったん社長を退くも、2005年(平成17年)には再び社長に復帰。同年、持株会社制への移行を受けて、グループ各社の会長職を兼務している。